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家を建てる前に知っておきたい「地鎮祭」とは?

家を建てる際、工事の安全と家の繁栄を願って行う「地鎮祭(じちんさい)」。特に注文住宅を建てる場合、多くの方がこの儀式を経験します。今回は、地鎮祭の基本と、滋賀県における特徴についてご紹介します。

地鎮祭とは?

地鎮祭は、土地の神様に工事の安全を祈願し、これから住む家の安泰を願う儀式です。一般的に神主さんをお招きし、祝詞(のりと)をあげてもらい、土地を清めるための儀式を行います。地鎮祭を行うことで、「この土地での工事が正式に始まる」という区切りにもなります。

 

地鎮祭の流れ

神主の入場・開式の辞
神主さんが祭壇を整え、地鎮祭が始まります。

 

修祓(しゅばつ)
神主さんが土地を清める儀式を行います。

 

祝詞奏上(のりとそうじょう)
施主や工事関係者の安全と、家の繁栄を願う祝詞をあげます。

 

 

四方祓い(しほうばらい)
土地の四隅をお清めします。

 

鍬入れの儀(くわいれのぎ)
施主・施工業者が「えい、えい、えい!」とかけ声をかけながら土地を掘る真似をします。

 

玉串奉奠(たまぐしほうてん)
施主や工事関係者が順番に玉串を捧げます。

 

閉式の辞・直会(なおらい)
儀式を終え、神主さんや関係者とお神酒をいただきます。

 

所要時間や参加者は?

■所要時間
だいたい30分ほどで終わります。

 

■天候
雨でも雪でも、天候に関わらず行いますが、台風などの危険な場合は延期することもあります。雨の日の地鎮祭は靴が汚れますので、汚れてもいい靴がおすすめです。屋外で行いますので、暑さ・寒さの対策もお忘れなく。

 

■参列者
一般的には施主、神主、工事関係者、設計者、棟梁、現場監督などが参列します。

施主は必ず参加します。

●工事関係者には、施工会社、現場担当者、大工、設計者や棟梁も含まれます。ARCHではスタッフ2~5名ほどが参加します。

●両親や親戚なども呼ぶことができます。ARCHのお客様で親御様が来られるのは1~2割くらいです。

地鎮祭の準備がありますので、参列者の人数は週間前までに確定しておきましょう。

 

■服装
一般的にはフォーマルな装いが望ましいとされています。……なのですが、ARCHではお施主様の服装に決まりはありません。神主様も「普段着で結構です」と仰っていましたので、普段の服装でご参加ください。靴だけは汚れてもいい靴、底がフラットな靴がおすすめです。更地で行いますので、ヒールだと地面に食い込んで大変なことになります。

 

滋賀県における地鎮祭の特徴

滋賀県では、地域によって神社の習わしが異なりますが、特に以下の特徴があります。

■比叡山延暦寺や多賀大社など、神道・仏教が共存する地域性
そのため、神社だけでなく、場合によってはお寺で地鎮祭をお願いすることもあります。ARCHでは滋賀県神社庁の神主さんに依頼しております。宗教上の理由などでお施主様からのご指定があれば、そちらを優先いたします。

 

■琵琶湖周辺の水神信仰
琵琶湖をはじめとする豊かな水源を持つため、水の神様に関する祈願が行われることもあります。水が関係する土地の場合のみなので、ほとんど該当しません。

 

■「お日柄」を特に重視
大安や友引といった縁起の良い日を選ぶ傾向が強く、地元の神社や工務店と相談しながら日取りを決めることが多いです。ARCHでもカレンダーを見ながら日程を決めていきます。こだわりすぎるとスケジュールが遅れるので、仏滅などの悪い日以外ならOKという感覚です。平日に行うこともあります。

 

地鎮祭の準備と費用

■準備するもの
神社によって異なりますが、米、塩、酒、海の幸・山の幸(果物や野菜)、お神酒などを用意するのが一般的です。施主が準備する場合もあれば、神社側が手配する場合もあります。ARCHでは基本的に神社側が手配してくれますので、お施主様は何も用意しなくて大丈夫です。

 

■費用相場
地鎮祭の初穂料(謝礼)は、一般的に3〜5万円が目安です。その他にお供え物代がかかることもあるので、事前に確認しておきましょう。ARCHでは3万5000円をお包み頂くようお願いしております。

 

地鎮祭は誰のために行う儀式なの?

地鎮祭は土地の神様(氏神様)に対して行う儀式です。主な目的は、工事の安全とこれから住む家の繁栄を祈願することです。つまり、以下のような関係者にとって大切な意味を持ちます。

 

土地の神様への報告と祈願
→ 「これからこの土地で家を建てさせていただきます。どうぞお守りください」という願いを込めて。

 

施主(家を建てる人)への安心感
→ 「無事に工事が進み、快適な家が完成しますように」と願う区切りの儀式。

 

工事関係者(施工会社・大工さん)の安全祈願
→ 工事中の事故やトラブルを防ぐための意味も。

 

特に日本では古くから、土地には神様が宿ると考えられているため、土地を使わせてもらうことへの感謝と敬意を示す意味合いが強いです。

 

地鎮祭をしない人もいる?

実は、地鎮祭をしない人もいます。必須の儀式ではないため、施主の判断によって省略するケースもあります。

 

地鎮祭をしない理由

①宗教的な理由
神道の儀式なので、宗教の考え方によっては実施しない場合もあります。

②費用を抑えたい
初穂料やお供え物の準備が必要で、費用が3〜5万円ほどかかるため、省略する人もいます。

③スケジュールの都合
工事のスケジュールがタイトで、地鎮祭の日程を調整できないことも。

④簡易的な形式で済ませる
神主を呼ばず、施主や施工業者が簡単にお清めをして工事を始めるケースもあります。

⑤地鎮祭をしなくても問題ないと考える
施工会社や工務店の中には、「地鎮祭をしなくても工事には影響しない」と考える人も。

 

ちなみに、ARCHではどうしてもやりたくない(できない)理由がない限り、地鎮祭を行うようにお願いしています。地鎮祭をしなかったことで大怪我や事故が起きるかというと根拠はありません。

しかし、地鎮祭を行うチャンスは1回きりです。あとで「やればよかった」と後悔しても、どうすることもできません。せっかくの家づくりですし、よほどの事情がない限りは地鎮祭をすることをおすすめします。

ちなみに建売やマンションは地鎮祭をする機会がないので、地鎮祭は家を建てる方だけが体験できるプレミアムな機会なんですよ。そう言われると「じゃあやっとこ」ってなりませんか?(笑)

 

地鎮祭をしない場合の代替案

■自分たちでお清めをする
→ 塩や酒をまいて土地を清める方法。

地鎮祭をするかどうかは、気持ちの問題でもあるので、施主の考え方や状況に合わせて選ぶと良いですね。

 

まとめ

地鎮祭は、単なる儀式ではなく、家を建てる上での心の区切りにもなります。「いよいよ家が建つぞー!!」と実感できる日でもあるので、ぜひ楽しみにしてご参加ください。ご家族にとっても良い思い出になると思います。

ARCH

書いた人

ARCH

滋賀県東近江市にある工務店 ARCH
高性能高機能な家づくりを行っています

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