シロアリ対策をしないと耐久性が落ちる
暖かくなると人や動物、あらゆるものが活動的になりますが、
その中に住まいにとってあまり良くないものもいます。
シロアリです。
みなさん、シロアリについてどんなことを知っていますか?
「古い家の浴室やキッチンに発生する虫」というイメージはありませんか?
実は、新築のお家や鉄骨造のお家でもシロアリ被害に遭うんです。
シロアリが発生しやすい条件とは?
1.暗くて湿気のある場所
2.食べ物がある(木材、断熱材、本、段ボールなど)
3.水がある
このなかでも「水」はシロアリが好む環境を作り上げる一番大事な要素です。
じめじめして暗い場所が大好きなんですね。
そう考えると、住まいにはシロアリが発生しそうな箇所が無数に潜んでいると思いませんか?
お風呂、キッチン、トイレ、その付近の床下や壁の中、屋根裏など…。
私たちが普段は見ることのできない部分まで危険にさらされています。
シロアリが発生するとどうなるの?
シロアリは群れで行動しているので、1匹いたら1万~100万匹いる可能性があります。
この100万匹のシロアリたちが毎日休むことなく、住まいのあちこちを食べていきます。
小さい虫だとあなどってはいけません。
1年間で10㎝角×3mの木材を3本弱食べつくします。
この写真に写っている柱3本分くらい。
シロアリに食べられた後の木材はスカスカになっていて、手で触るだけでボロボロに崩れます。
弊社にもシロアリ被害材のサンプルがあるのですが、本当に驚くほど簡単にボロボロ崩れていきます。
こんな状態の住まいを、ある日突然、地震が襲ったら…どうなると思いますか?
シロアリと地震の関係
シロアリ被害を受けて柱がスカスカになった住まいに、新築時の耐久性はありません。
ここが大きなポイントです。
ボロボロになった柱を見て頂ければわかると思いますが、
シロアリの被害を受けた住まいは、どんなにお金をかけて地震対策をしていても、
新築時の耐震性能はありません。
下は阪神淡路大震災のときに調査されたデータです。
全壊した建物の90%がシロアリ被害に遭っていました。
このデータから分かることは、「シロアリ被害に遭っている家は地震に弱い」ということです。
だから、地震に強い家を建てるなら「シロアリ被害に遭わない家」を建てるべきです。
「シロアリ」と「地震」
一見すると関係ないことのように思いますが、とても深い関係にあります。
お客様の話を聞いていると、「シロアリに関してそこまで深く考えていなかった」という方が多いです。
あまり頻繁に目にするものではないですからね…。
お家づくりの中では「間取り」「デザイン」「コスト」などが優先的になりやすいですが、
「構造」や「耐震」「害虫対策」もきちんと視野に入れて検討していきたいものです。