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家は少しでも安く買った方がお得なのか?


 
家を建てる、または購入するとき、誰でも「品質の良いものを、少しでも安く手に入れたい」と思うものです。
そういったニーズに応えるように、おしゃれで格好良く、若い人でも購入できるように価格を抑えたローコスト住宅が販売されるようになりました。
 
しかし、そういった住宅の中には、見た目の格好良さと引き換えに、必要最低限の性能しか備えておらず、住み始めてからお金が掛かるタイプの住まいもあります。
せっかく一生の住まいを手に入れたのに、“安物買いの銭失い”になるのでは意味がありません。
 
今回は、家を建てるときに必要なコストのお話を中心に、「どのような家をいくらで買うべきなのか」ということを考えていきたいと思います。
 
 

目に見えないコストを把握する

 

ライフサイクルコストとは?

 
土地購入費、設計費、建築費、生活維持費、修繕費、解体費など、建物の一生にかかるお金を『ライフサイクルコスト』言います。
 
「解体費用まで必要なの?」と思う方がいるかもしれませんが、人間だって亡くなったらお葬式をして埋葬しますよね。
家も同じで、誰も住まなくなったら売却するか解体するなどして処分するのにお金が掛かります。
たとえ空き家のまま放置しておいても、所有している間は固定資産税を払わなくてはいけません。
 

 
上記はライフサイクルコストのイメージです。
皆さんに見えているのは「建設費」の部分だけで、全体の約25%程度に過ぎません。
水面下には「保全費」や「運用費」といったランニングコストが潜んでいます。
 
これこそ、家を建てる際に注意しなければいけないポイント。
 
住み始めてからの負担を減らすためには、目に見えないお金までシミュレーションして計画するべきなのです。
なぜなら、水面下に潜むお金は、今は目に見えていないだけでいずれ必要になってくるお金だからです。
 
 

光熱費などのランニングコストに注意

 
下記のグラフは30年間のランニングコストを比較したものです。
 

 
2つの家を光熱費だけで比較しました。
月々の光熱費が15,000円で済む家に比べて、30,000円かかる家は30年間で540万円も損をすることになります。
実際には、光熱費だけでなく家電や住宅設備の買換え費用といったメンテナンスコストも必要になってきますので、差額はもっと広がります。
 
例えば、この約500万円を初期費用に充てて性能のいい家を建てていれば、月々の光熱費が安く済むうえに、ずっと快適な環境で暮らせるというメリットがあります。
 
みなさんは、どちらの家に住みたいですか?
光熱費が安くて快適な家のほうが良いですよね。
 
もちろん、家を建てるときは光熱費だけを比較するのではありません。
会社の規模、デザイン、間取り、アフターサービス、スタッフの人柄などを総合的に比較して判断しますよね。
ぜひ、そのなかに「ライフサイクルコストの提案ができるかどうか」という項目もいれてください。
「光熱費は年間いくらかかるか」「家電や住宅設備は何年後に買い換えか」といったことも提案してもらえるか確認しましょう。
 
 

住んでからのコストを抑えられる家とは?

 

月々の負担を減らす方法

 
毎月の支払いが多いと経済的に苦しいですよね。
こういった場合、多くの方は住宅ローンの返済額を気にされます。
 
しかし、もうひとつ月々の支払いで見直せる項目があるのです。
それが光熱費です。
私たちはそれを生涯ローンと呼び、光熱費が安く済む家を建てることをおすすめしています。
なぜなら、光熱費は住宅ローンよりも長く支払い続けなければいけないものだからです。
 
住宅ローンの返済額ばかりを気にするのではなく、ランニングコストを抑えるという方法も検討するべきです。
 
 

住まいに必要な性能について

 
2020年にはすべての新築住宅で「改正省エネルギー基準」が義務化されます。
どのようなことか簡単に言うと、断熱性とエネルギー消費量の2点について基準値をクリアすることが求められるというものです。
改正省エネルギー基準については別の機会に詳しくお話ししますが、このような基準が設けられたということは、日本の住宅はどんどん高性能化に向かっているということです。
 
改正省エネルギー基準をクリアする家とは、いわゆる「高性能住宅」です。
品質が良い分、従来よりも価格が5~10%高くなります。
しかし、それだけの差額を払ったとしても、ライフサイクルコスト全体でみると十分にメリットがあると言えます。
 
なぜ国がこのような法改正をするかというと、日本のエネルギー消費に対して供給が追い付かないという現実があるからです。
すでに原子力発電の良否が取り沙汰され、日本の発電力には限界が見えています。
そのことを鑑みると、将来的に電気やガスなどのエネルギーが高騰する可能性が大きいということです。
 
 

まとめ

 
今日のテーマである「家は少しでも安く買った方がお得なのか?」という疑問への答えは「初期費用が安い家がお得とは言い切れない」ということです。
その理由は、ランニングコスト(光熱費)が安い方が、長い目で見てお得になる可能性があるからです。
 
家を建てる会社にはライフサイクルコストの提案を希望し、「光熱費は年間いくらかかるか」「家電や住宅設備は何年後に買い換えか」「住まなくなったときに売却できるか、解体費用はいくらかかるか」ということを確認しましょう。
 
本当に質のいいものを、適正な価格で購入することこそ、永く良い暮らしを続けられる方法だと思います。

ARCH

書いた人

ARCH

滋賀県東近江市にある工務店 ARCH
高性能高機能な家づくりを行っています

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