等時間日影図の必要性
ARCHでは間取りを検討する際に、まず該当敷地に対して周辺の建物の影がどう影響するかの検討から始めます。
よく住宅会社で言われるのが「南に庭を設けて、リビングを設けると、南側から光が入ってきて明るい空間になります」と…。
しかし、その根拠も一緒に提案されていますでしょうか?
南側だから…だけでは、根拠になりません。
例えば、お隣の敷地が南面とし、そしてまだ空き地だったとします。
自分たちが建てたときはお隣は空き地だったけど、数年後お隣にも家が建ちました。
そしたら、日中全く日が入ってこなくなった…。
なんてことになったら、どうしますか?
どうも出来ませんよね。
仕方なく昼間も電気をつけて過ごすことになるだろうと思います。
ARCHにお越しくださるお客様によくお伝えするのが、「後から交換出来ないものやことは、建てる時に必ず取り入れてください」とお伝えしています。
それは白蟻被害や木の腐れを考えて「緑の柱」
地震のことを考えて「耐震等級3」(許容応力度計算)
暮らしてからの快適さや光熱費を考えて「断熱・気密」「サッシ」「換気」
屋根の下地の腐れを考えて「二重屋根」
メンテナンスのことを考えての材料だったり施工方法だったり、
他にもいろいろありますが、「間取り」もその一つです。
「間取り」の要望として多いのは「家事同線」「収納」そして「広い家」とワードをお聞きします。
その要望が満たされていても、住み始めると昼間から電気をつけないと暗かったり、冬は寒かったりするとどうですか?
弊社では配置を計画する際に、隣家の影が計画する敷地にどのように影響するかをシュミレーションします。
(隣が空き地や平屋の場合、建築基準法で建てられる最大の建物を想定します)
それが「等時間日影図」です。
この敷地は建物が密集しており、大きく隣家の影が影響し、配置や窓の場所を読み解いて間取りを考えないと、全く日が入らない所でした。
※5.0、4.0…の数字は、この範囲は5時間、4時間、影が落ちていると言う意味。
検討がしっかり出来ているので、日中は電気をつけなくても明るいですし、太陽の光が沢山入って来て、とても暖かい室内になってます。
性能の数値を表す、Ua値・C値の数字は大切です。ですが、数値が良くても設計を間違えば、快適なお家にはなりません。
今の住宅では性能の数値が良くて当たり前になってきましたが、それだけで快適になるとは思わず家づくりを進めていただければと思います。