金剛寺の家|屋根の気密施工と防水シート
先日上棟が終わり、屋根の施工も進んでいます。
屋根の仕上げは合板なのですが、その隙間を「防水気密テープ」で塞ぎます。
当社で使用している防水気密テープは建築先進国のドイツ生まれ。
粘着性が強く、紫外線・湿気・強風に強いので、屋根の施工にも安心して使えます。
そして、野地板の上に貼るのが「透湿防水ルーフィングシート」です。
防水するけど湿気を逃します。
「水は入ってこないのに、どうやって湿気を逃すの?」と思うかもしれません。
雨は目に見えるけど、水蒸気は見えませんよね。
水は100〜3000μmなのに対し、水蒸気は0.0004μmです。
水蒸気はとても小さな粒なので、雨が蒸発するとルーフィングシートの気孔から逃げていくという仕組みです。
知らない方が多いと思いますが、日本ではほとんどの家で「アスファルトルーフィングシート」が使われています。
防水機能はありますが、湿気を通さないので蒸れます。
屋根の内側で結露してしまうと、湿気の逃げ道がなくなり、野地板にカビが生えたり腐る原因になります。
ではなぜ「アスファルトルーフィングシート」を使う家が多いのか?
答えは簡単、コストが安いからです。
透湿防水シートを使う場合、シートを使うだけではなく、屋根に通気層(空気の抜け道)を設けなければなりません。
そうするためには屋根を二重にする必要があり、手間もコストもかかります。
ローコスト住宅や、比較的安いお家の場合、見えない部分のコストからカットされていきます。
屋根もその1つです。
劣化による雨漏れや、屋根のカビなどは、住んでいてもなかなか気づきません。
築30年とか40年くらい経った頃にようやく室内に雨漏れしてきて気付くのです。
でも、室内に雨漏れが発生した時には手遅れです。
屋根の中は水浸し、カビだらけ、野地板は腐ってしまい、修繕するには大掛かりな工事が必要になります。
家づくりのコストカットは住む人の未来に代償として返ってきます。
この業界で仕事をしていて、実際にそういうお家をたくさん見てきました。
だからこそ、当社では目に見えないからといって手を抜かないと決めました。
それがお客様の未来にとって必要なことだと思うからです。